◆登場人物◆(常時追加予定)

★香野太騎(こうの・たいき):20歳♂ 身長185cm
一応本作品の主人公その1。
無駄なほど完璧な美貌とスタイルを持ち、流行をたくみに取り入れた、洗練された出で立ちや所作もあってナンパ成功率100%を誇る。世界的な格闘家の父と、イギリス貴族の血を引く大企業社長令嬢の母を持つセレブでもあり、富裕層の子女が通う大学で、より取り見取りの美しい娘たちと日替わりの恋を楽しみながら何不自由のない日々を送っている。
趣味は恋愛、流行の場所や美味しいレストラン、カフェを綺麗な女性と一緒に巡ること。特技は美術品の目利き。将来は美術品の売買に関わる仕事がしたい、と漠然と思っている。母親のお陰で、英語とイタリア語は人並以上にしゃべれる。
恵まれた体格を持ち、基本的な体機能は高いはずなのだが運動神経は今ひとつ。格闘家の父を持ちながら暴力的な行為は苦手。殴るのも殴られるのも真っ平ごめんだし、血を見るのも苦手(大量の血を見ると貧血を起こす)。
大らかで陽気で流行に敏感、基本的に人が好く邪気がないが、基本的にヘタレで甘ったれ、根性なし。ただし付き合っている女性にヘタレで甘ったれな部分を隠す程度の小狡さはある。
好みの女性は線が細くて華奢な少女っぽいタイプ。でも胸は大きい方が好みらしい。若干助平かもしれない。
まったく好みではない外見の女性、天に助けられて以降、物騒な事件に巻き込まれて行くが……。

★鍔守天(つばもり・そら):30歳♀ 身長165cm
本作品の主人公その2。
化粧っけのない顔、Tシャツにジーンズという女性的な洒落っけの一切ない出で立ちの、異様に鍛え上げられて引き締まった身体を持つ、異様に隙のない立ち居振る舞いの女性。童顔気味で、二十代前半に見える。両親が京都人だったので関西弁をしゃべる(京言葉ではない)。
故人である父は幻と言われる古流柔術の継承者、現在行方不明の母は居合いを含む古流剣術の師範という筋金入りの武道一家に生まれ、双方の技術と精神を徹底的に叩き込まれて育った。女性とは思えない運動神経と体力、冷徹なまでの判断力を持つが、現在は自宅マンションの傍にある花屋でアルバイトをしている(一応)ただのフリーター。
一般企業の正社員になることを断念したのは、大学入学直後に母がこの地域に根を張るやくざの一家、東雲組の組長と再婚したからと、その義父がどうしても天を跡取りにしたいと文字通り地団太を踏んでごねたから。自分を溺愛する義父に何となく絆されて今に至る。
趣味は調理と製菓、ガーデニング。特技は裁縫に日曜大工というマルチに小器用な人物。アルバイト先の関係で植物に詳しく、幼馴染のお陰で英語フランス語ドイツ語中国語辺りはそれなりに理解できるし喋れる。
洒落っ気はないが笑うとどこか幼く、可愛らしく見える女性で、大変に愛情深く、ご近所さんには親切でやさしい、気立てのいい娘さんで通っている。が、根本的に男前な性格で、一歩東雲組に入ると、力を笠に着ての横暴を一切許さない、夜の街で悪さをするごろつきを『管理』して回る、筋金入りの極道者になる。
行方不明の母親が関わる、何か大きな事件に関係しているらしいが……?

★東雲龍一郎(しののめ・りゅういちろう):62歳♂ 身長178cm
天の母親、総子(そうこ)の再婚相手で、東京に古くから根を張るやくざ一家東雲組の組長。
身長こそそれほど高くはないものの、がっしりとした巌のような身体つきに鬼瓦のような顔を持つ、恐ろしい威圧感を持つ男。若い頃は相当無茶苦茶やったらしいが、今では面倒見のいいよきおやっさんで、三百人からなる組の構成員たちには大層慕われている。ただし怒らせるとものすごく怖い。
再婚相手である総子にベタ惚れなのと同様、義理の娘である天を溺愛しており、彼女の前ではキャラが崩壊する。「東雲組が人様に迷惑かけるクズの集団になったら速攻で見捨てる」という若き日の天の言葉にいまだにビビッているため、威厳は保ちつつも東雲組が地域に溶け込めるよう気を配ってもいる苦労人。ただし若干自業自得。
趣味は家庭菜園(天に勧められて始めたらハマった)、特技は囲碁将棋。プロ級の腕を誇るがそれが役に立ったことはあまりない。
一般人なら目を合わせることも出来ないような、いかにも『その筋』の雰囲気を漂わせた厳つい男だが、ご近所ではすでに娘を溺愛するあまり駄々を捏ねる父親として認識されており、よく生温かい視線で見守られている。とはいえ古い任侠ものとしてのプライドもあり、堅気に迷惑をかけることは絶対にしないという矜持も持つ。
三年前から行方不明の妻、総子を今も探し続けている。

★石動紗月(いするぎ・さつき):38歳♂ 身長188cm
龍一郎の信頼を一身に受ける東雲組若頭。かつ、天の信奉者ナンバーワン。
威風堂々たる体躯を持つ、古い時代の巨匠が手がけた仏像のような、静謐さを漂わせた渋い男前で、天が東雲組に来たときからの世話役、守役。東雲組では天が甘える唯一の男で、彼女に一番近い人間。天は彼をサキと呼ぶ。
体格に似合わぬ俊敏さと恐るべき持久力、抜群の格闘センスを持ち、拳銃や刃物の扱いも抜きん出ている。“東雲組の斬り込み隊長”として、敵対するやくざやギャング、チャイニーズマフィアやイタリアンマフィアにも一目置かれ、畏れられているらしい。通り名は“不動明王”。
趣味は美味いお茶やコーヒーを淹れること、特技は家事全般(忙しい母親の代わりに天の面倒を見ているうちにそうなったらしい)。
その筋の女たちのみならず、堅気の女性すら騒ぐ男前だが、本人は天のことが大切過ぎて恋愛には興味がない。天に対する感情も、家族愛なのか友愛なのか恋愛なのか、紗月自身今ひとつよく判っていない。短気で強情だが、常識人でツッコミ気質。天には振り回されっぱなしだがそれが幸せとか思ってる。
名前があまりにも可愛らしいことが密かなコンプレックス。自分がそれと許した相手以外に下の名前を呼ばれると怒る(そして殴る)。

★篠崎彰史(しのざき・あきふみ):32歳♂ 身長180cm
東雲組と隣接する縄張りを持つ篠崎組の若き組長。構成員は二百名少々。
組長となった当初は、何かしらの屈託があったらしく、横暴な、荒れた振る舞いが多く見られたが、一年前、側近であり義兄でもあった若頭の男が行方不明になって以降、生来の生真面目さと誠実さを取り戻し、組と地域のために尽くすようになった。
今では龍一郎のよき碁敵であり、天の戦友でもある。
一流国立大学卒で、弁護士の資格も持ついわゆるインテリやくざ。

★竹邑涼子(たけむら・りょうこ):28歳♀ 身長158cm
天の幼馴染。天が気を許し、甘えもする数少ない相手。
少女のような繊細さを持つ童顔の、華奢でたおやかな京美人だが、中身は強靭で豪胆。
天が大事でたまらず、大事すぎて京都から追ってきた。紗月とは自他共に認める好敵手。
はんなりした言葉遣いでさらりと毒を吐く。
天と同じマンションに住みながら、海外の児童文学を翻訳する仕事をしている。語学に堪能で、十カ国以上の言葉を母国語と同様に操る。一流国立大学卒の才媛。

★二ノ宮多恵子(にのみや・たえこ):33歳♀ 身長172cm
歌舞伎西署に勤務する刑事(ノンキャリア)。天の母親の行方を追っている。
長い黒髪の、知的なクール美女。外見のクールさに反して中身は熱い。そして若干オッサン。
格闘技マニアで、色々な流派の格闘技を学んでいる。

★近藤英嗣(こんどう・えいじ):70歳♀ 身長170cm
東雲組、篠崎組と隣接する暴力団の一派、藤正会の会長。
二次組織三次組織を有する大きな暴力団で、末端組織を入れれば構成員は千人にのぼる。古きよき任侠道を守る東雲・篠崎両組が目障りで堪らず、ありとあらゆる手を使って二組を潰そうとする傍ら、天の追う“輝く大樹”を手に入れようと画策もする。
弱いものを甚振って悦ぶ、天がもっとも嫌うタイプの極道で、自分の保身のためなら身内を売ることすら厭わない卑怯者。天には、次に顔を見せたら微塵に刻むとまで言われている。

★前野幸也(まえの・ゆきや):26歳♂ 身長178cm
近藤の側近、懐刀。若いが戦闘能力は高い。
執念深く残忍で、目的のためならばいかなる卑怯な手段を用いることも厭わない。
他者が痛みに泣き叫び、恐怖し絶望する姿を見るのが好き、というサディスト。
目下のところの執着と目標は、過去に自分を這いつくばらせたただひとりの男、紗月を斬り刻むこと。

★黄龍光(ホワン・ロングァン):45歳♂ 身長185cm
東雲組と篠崎組の縄張りに入り込んできたチャイニーズ・マフィアの若き香主。
“輝く大樹”を我が物にすべく、自ら現地で指揮を取っている。
敵対者には冷酷で容赦がないが、味方や身内には寛容で面倒見がいい。
中国武術の達人。

★陳美芳(チン・メイファン):28歳♀ 身長170cm
龍光の護衛を務める女性。龍光の愛人でもある。
反政府武装組織で育ち、銃火器の扱いに長ける近〜中距離戦のエキスパート。
龍光を本気で愛しており、彼のために死ぬことを心に誓う健気な女性。

★蛇頭の男(じゃとうのおとこ):三十代後半? ♂ 身長180cm前後
“輝く大樹”を狙って暗躍する謎の男。
イタリアン・マフィアとつながりがあり、彼らを顎で使うような振る舞いもする。
天の母親の行方も、彼が知っているとか……?